ゼロに浸食された不思議な文字列

筆跡試料作成2021

口語におけるゼロの利便性

045-805-5591などの電話番号や,245-0024などの郵便番号を電話で伝えようとすると「ぜろ・よん・ご・はち・ぜろ・ご・ご・ご・きゅう・いち」や「に・よん・ご・ぜろぜろ・に・よん」というように,本来の日本語では「0(れい)」と読むべき部分を,「Zero(ゼロ)」と読むことが多いです。

テレビやラジオのコマーシャルでは,0120を「ぜろ・いち・に・ぜろ」と発音していることが多く,「れい・いち・に・れい」と発音されたときの方が違和感が大きいように思えます。

「ぜろ」は濁点が入る言葉なので聞き取りやすく,数字の羅列を読む際は相手に伝わりやすいのかもしれませんね。

ゼロを他に適用してみると違和感だらけ

では他の言葉ではどうでしょうか。

少数「0.5」を「ぜろ・てん・ご」と言ってみると違和感があります。これは「れい・てん・ご」と言わないと個人的には気持ち悪いですね。

シャープペンの芯やボールペンの先のサイズは自然に「れい・てん・ご」ミリとか「れい・てん・れい・さん」ミリ等と読まれ,世間でも通用しているように思います。

そう考えてみると「ぜろ」が入り込む隙は電話番号や郵便番号くらいしかないように思います。

他の数字を英語で発音してみる

今度は他の数字を英語で発音してみます。

  • 1秒(いち・びょう)を「わん・びょう(One・びょう)」
  • 2匹(に・にき)を「とぅ・ひき(Two・ひき)」
  • 3倍(さん・ばい)を「すりー・ばい(Three・ばい)」
  • 4年(よ・ねん)を「ふぉー・ねん(Four・ねん)」
  • 5歳(ご・さい)を「ふぁいぶ・さい(Five・さい)」
  • などなど…

普及していないので結果はなんとなくわかっていましたが,書き出してみると違和感が酷いですね。

Zeroに浸食された文字列

こうして書き出して検証してみると数字を日本語で読む言葉の方が多いことがわかり,なにかホッとした気持ちになります。

実はここ数カ月の間,人に電話番号や郵便番号を伝えるときに,あえて「ぜろ」は使わずに「れい」と発音してみたのですが,相手方が確認のために読み返すときは,なぜか「ぜろ」と言い換えられていました。

そうした実証実験から電話番号や郵便番号は既に,本来の「れい」が「ぜろ」に浸食されてしまい,取って代わられた文字列なのだなと思います。

なお,これはすべて私の個人的見解です。

筆跡鑑定と印章鑑定の研究用試料の作成:161回目

本日は建国記念の日。

ここ横浜では澄みきった青空が広がっています。

そろそろ花粉症の季節に入ります。今年の花粉は昨年より多いそうですから万全の態勢で臨みたいところです。

筆跡鑑定と印章鑑定の研究用試料の作成:2021年2月11日

緊急事態宣言が延長されてしまいました。

飲食店や観光業の方々並びに関係業種の方々のご苦労はいかほどのものかわかりかねますが,今月からワクチンの接種が始まりますので,またにぎやかな日常が戻ることを切に願っております。


最後までお読みいただきましてありがとうございます。
次のブログ更新まで,あなたと私に良い風が吹きますように。