筆跡鑑定ができないケース

筆跡鑑定による本人確認ができないケースがあります。筆跡を資産の一つとして残しましょう。

筆跡鑑定ができない人が増えています

弊所では,自筆証書遺言や遺産分割協議書などの相続に係る書類や,土地建物売買契約書や金銭消費貸借契約書など多額の金銭に係る書類などの筆跡について,本人確認を行う目的で筆跡鑑定を行う機会が多いのですが,「いざ,筆跡鑑定をしよう。」となったときに,肝心のご本人様の筆跡が見当たらないとか,数量が少ない,執筆時期が離れている。といったことがままあり,その場合,最悪のケースでは筆跡鑑定による本人確認ができないということがあります。

筆跡鑑定ができないことも

筆跡鑑定ができず,途方に暮れるイメージ

例えば,自筆証書遺言書の筆跡を見たときに,あなたの御記憶にある故人の筆跡と異なるという疑念を抱かれても,故人の筆跡がなければ筆跡鑑定による類似性や相違性の観察が行えないため,異同の判断がつけられず,遺言書の内容に問題がなければ,遺言書に書かれている通りに相続が執行されることになります。このとき,相続の内容に異議がなければよいのですが,ご意向に沿わない内容であっても相続は執行されてしまいます。
また,土地建物の売買や移転,金銭の借用など,身に覚えのない契約書によって不利益を被りそうになったとき,原因となる契約書に書かれているお名前やご住所の筆跡鑑定を行う場合も,その契約書に近い日付のご自身の筆跡がなければ,正確な鑑定結果が得られないことになり,事態の解決に至らない可能性が出てきてしまいます。

実印は大切に保管。では,あなたの筆跡は?

印鑑と印鑑登録証明書は大切に取り扱われる実印は押印するときに意識しますし,何でも構わずに実印を押印する人はいません。これは重要な契約等で実印が必要になるからであり,逆に言えば実印が押印してある契約からは逃れられないという既成概念が実印の重要度を増しており,一般的に実印は「大切に保管されるもの」に位置付けられています。しかし,筆跡はどうでしょうか。

1980年代にはワープロが一般的になり,年賀状を全て印刷で済ませる人が増えて手書きの年賀状が減り,1990年代後半からはパソコンが各家庭に普及し,家電量販店ではパソコンとプリンターをセット販売していたこともあり,手書きで文書を作成する機会が激減しました。さらに近年では,スケジュール帳も日記もスマートフォンの中にあります。
このような状況になり四半世紀が経ち,年賀状は印刷物・手紙は書かない・仕事の書類は活字のみという環境に身が置かれていて,自分が名前や住所を書いた書類は手元には残っていないという環境に至りました。

自筆証書遺言書のイメージ仮に,あなたが亡くなったあとに,あなたが書いていないはずの遺言書が出てきて,ご遺族間で相続をめぐる争いが起きたとしても,あなたの書いた筆跡が残っていなければ筆跡鑑定を行うことができません。あなたが当然相続すべきと思う人が相続できなくなるかもしれませんし,相続をさせたいと思っている人へ書いた遺言書が,後から出てきた不正な遺言書によって無効になるかもしれません。

筆跡もあなたの大切な資産

実印は,印鑑登録証明書を役所から取り寄せることができるので,万一,実印を失っても印鑑鑑定を行うことができます。しかし筆跡は,普段から保管するように意識しないと残らないので,万一の際に筆跡鑑定を行おうとしても立ち行かなくなるかもしれません。
こうした不測の事態からご自分の人生を守るため,また,ご遺族の正当な利益を守るためにも,「筆跡は資産の一つ」という考えを持つことが大切です。身内に送る年賀状だけは自筆にしてみたり,住所や名前と簡単な文章を定期的に書き溜めてみたりするだけで懸念される事態を予防することができます。

※上記内容の一部は,筆跡鑑定人として社会啓発ができればとの考えから,「筆跡鑑定ができない。」という事態に陥られた方の状況をまとめ再構成したものです。

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