筆圧が強い人の性格と筆圧のトレーニング方法

筆跡心理学,筆跡試料作成2020

これをお読みの方は、書かれた文字からどのようなことが読み取れると思われるでしょうか?ここでは特に、文字を書く時の強さ・濃さである「筆圧」に着目して考えてみたいと思います。筆圧が強い人はどのような性格なのでしょうか?また精神状態が影響することはあるのでしょうか?そのほか、筆圧が強くなる・濃くなる原因とその直し方についてもまとめます。

筆圧が強い人の性格

筆圧が強い人は、次のような性格だとよく言われています。

  • バイタリティがある
  • 個性的
  • 頑固

濃い文字・太い文字を見たときに想像する人物像と近いのではないでしょうか。自信に満ち溢れ、エネルギーが文字にまで表れているイメージです。自分の考えや価値観をしっかりと持っており、人と違う道を行くことを厭わず個性的です。そして自分に自信があるゆえ、少し頑固でもあります。
また筆圧が強い人は、文字のサイズも大きい傾向があります。これもまた自信やバイタリティといったことを想像しやすいだろうと思います。

筆圧が強くなる精神状態

また、プレッシャーやストレスを感じているときに筆圧が強くなることがあります。性格だけでなく、精神状態が筆圧に影響する場合もあるのです。
プレッシャーやストレスを抱えているときは、リラックスできず身体や手がこわばって無駄な力が入ってしまいがちです。そういったときに文字を書くと、どうしても力んで書くこととなり筆圧が強く濃くなってしまうということが起こるのです。
これもまた想像しやすいことではないでしょうか。

筆圧が強くなる原因

さらに性格や精神状態とは無関係に、物理的な理由で筆圧が強くなることもあります。特に多い理由は2つあります。

  • 親指・人差し指・中指の3本指に力が入っている
  • 猫背になっている

ペンや鉛筆を持つとき、親指・人差し指・中指の3本に力がかかっていると筆圧が強く濃くなります。特に人差し指と親指は力が入りがちです。人差し指が「く」の字に曲がってしまっていたり、血が通わないほど力が入っていて白くなっていたりしないでしょうか?
そのほか猫背も筆圧を強く高くする原因になります。猫背で文字を書いていると、上半身が前に傾いた状態になります。すると頭の重さを手で支えようとして手に力が入り、筆記用具を持つ手も力んでしまいます。
こうして指や手に力が入って力んでしまうことで、筆圧が強くなってしまうのです。

筆圧が強いと困ること

高い筆圧で強く濃く文字を書くことに慣れていればいいのですが、場合によっては筆圧が強いと困ることもあります。ここでは、筆圧が強いせいで起こる困ることについてまとめます。

  • 手が疲れる
  • 手・指が痛くなる
  • ペンだこができる

詳しく見ていきましょう。

手が疲れる

まず筆圧が強いと手が疲れやすくなります。手や指が力んだ状態で文字を書くわけですから、当然といえば当然です。ただ疲れるだけでも困ってしまうものですが、子供の場合はさらなる支障が出る場合があります。
文字を書いていて手が疲れてしまうと、長時間文字を書くのが嫌になってしまいます。その結果勉強すること自体が嫌いになってしまい、学習時の集中力が下がったり、ひいては学力が下がったりしてしまうことがあります。
これは多くの塾の講師や、子供の勉強を見ていた親からよく聞かれる意見です。筆圧が強いことが学力低下の原因になり得るとするならば、子供をお持ちの親御さんは少し心配になるのではないでしょうか。

手・指が痛くなる

親指・人差し指・中指に力が入った状態で強い筆圧で文字を書いていると、指の筆記用具に当たるところが痛くなることがあります。さらにこれらの指に力が入っていると腕が痛くなることもあります。指先と腕は筋肉でつながっているからです。
そのほか持ち方にクセがあって無駄な力が入っている場合には、指の関節など筆記用具が当たっていないところが痛くなることもあります。

ペンだこができる

指に力が入った状態で強い筆圧で書いていると、中指の第一関節や親指などペンや鉛筆に当たる部分にペンだこができることもあります。持ち方によっては、薬指にペンだこができる人もいます。
たこ(胼胝)は、身体の一部が摩擦・圧迫されたときに皮膚が防御のために反応して、角質が硬く厚くなることです。字を書くときに指のペンに触れる部分が強く圧迫されていると、圧迫されたところがペンだこになるというわけです。

筆圧を弱くするトレーニング

このように筆圧が強いことにはマイナス面もあります。その解消のため、筆圧を弱くするトレーニング方法があります。具体的な方法は次の通りです。

  • ペンを持つ手の小指に力を入れる
  • 猫背を直す

では、詳しく見ていきましょう。

小指に力を入れる

まず、ペンを持つとき小指に力を入れるという方法があります。筆圧が強くなるのは、親指・人差し指・中指の3本に力が入りすぎていることが原因だと言いました。この3本の力を弱めれば筆圧も弱くなります。ペンを持つとき、小指を手のひらにつけて軽く力を入れます。こうすると、力の入っていた3本の指の力が弱まります。それに伴って筆圧も弱くなります。
ぜひ実際にペンを手に取って、3本指に力を入れた状態から小指を手のひらにつけて軽く力を入れてみてください。3本指に力が入らなくなるのが実感できます。

猫背を直す

猫背を直すのも筆圧を弱めるのに役立ちます。先ほどお話した通り、猫背だと前傾した頭の重さを手で支えようとして手に力が入ってしまいます。そのせいで筆圧が強く濃くなってしまうのです。背筋を伸ばして猫背を直すと、手にかかっていた力が抜けて筆圧が弱くなります。
姿勢をよくすることには集中力アップなど他の思わぬ効果もあります。筆圧の強さが気になっている人はぜひ実践してみてください。

まとめ

筆圧が強い人は、バイタリティがあり個性的・頑固といった性格だと言われます。またプレッシャーやストレスを抱えているときは筆圧が強くなることがあります。
筆圧が強いと手が疲れたり痛くなったりペンだこができたりします。親指・人差し指・中指に力が入っていたり猫背になっていると筆圧が強くなります。ペンを持つときには小指に軽く力を入れ、背筋を伸ばすと筆圧を弱くすることができます。

いかがでしょうか?このように筆跡の筆圧ひとつ取っても、いろいろなことが分かりますし気づきも得られます。「書かれた文字を見る目が少し変わった」と思っていただけると嬉しく思います。

筆跡鑑定と印章鑑定の研究用試料の作成:150回目

筆跡鑑定と印章鑑定に役立てるための研究用試料の作成も,ついに150回目を迎えました。

毎月「1」と「11」,「21」の「1」のつく日に行っており,ひと月に3回作成していますので50箇月目になります。

余談ですが計算しやすいというのはいいことですね。

2020年10月21日筆跡鑑定と印章鑑定の研究用試料の作成

本日の横浜はカラリとした良い天気です。

天が高くなりましたね。それではまた。


最後までお読みいただきありがとうございます。
次のブログ更新まであなたと私に良い風が吹きますように。