筆跡鑑定の費用対効果

筆跡試料作成2020

筆跡鑑定の費用 変遷

筆跡鑑定の費用は鑑定所によって千差万別です。

私が開業した2003年当時,筆跡鑑定を行い筆跡鑑定書を作成するまでの鑑定費用は関東と関西でかなりの開きがあり,関東圏では50万円前後が相場で,高額なものは80万円くらいと聞きました。

関西圏の相場は100万円前後で私が聞いた最高額は250万円でしたが,関西方面の弁護士様からのご依頼ではよく値引き交渉を受けましたので,実際は値引きを計算に入れて鑑定費用を設定していたのかも知れません。

こうした鑑定費用の相場は2010年ごろまで続きます。筆跡鑑定所も数えるほどしかなく,裁判用の筆跡鑑定書で衝突する鑑定所はいつも同じところばかりでした。しかし,団塊の世代が定年退職をし始めたあたりから状況は一変します。

まず,「法科学」というフレーズを使用する鑑定所が増えました。これは警察の鑑識係をしていた人たちが退職後に立ち上げたものと思われます。平均年齢は70代くらいかと思いますが「右へ倣え」の精神が強いためか鑑定費用は既存の鑑定所と変わらないようでした。

次に,脱サラ組。これは「筆跡心理士」とか「筆跡鑑定士」などの通信教育を受けて開業した方たちです。平均年齢は60代前後ですが「値下げしないと物が売れない。」バブル景気後の大不況を経験しているので,既存の鑑定所より安い鑑定費用を設定して業界全体の相場を押し下げました。これにより関東圏の鑑定費用の相場は30万円前後まで下がり,関西圏でも50万円くらいまで下がりました。

そうした状況に加え,政権の移行や度重なる災害等,経済状況の不安定な期間を経て,いまでは筆跡鑑定の結果を報告することまでは廉価で行い,作成する鑑定報告書の種類により鑑定費用が変化するものが主流となりました。

現在の鑑定費用の相場では,筆跡鑑定を行い筆跡鑑定書を作成するまでで関東圏では10万円前後,関西圏の鑑定費用は30万円前後となっています。

筆跡鑑定の費用 対 効果

筆跡鑑定は鑑定をしてみないと結果が分からないので,初めは3万円前後で依頼できるところが良いでしょう。
筆跡鑑定を行った結果がご自分の意向と沿えば,筆跡鑑定書の作成を追加で依頼したり,裁判のために弁護士を探したりするなど次のステップへとつながります。裁判では筆跡鑑定書の役割が重要になるケースもありますが,裁判はお金がかかりますので,鑑定費用は必要な分だけで済ますことをお勧めします。

筆跡鑑定を行った結果がご自分の意向と沿わないときは,初期費用の支払いすら残念に思われるかも知れませんが,例えば,遺言書等を筆跡鑑定して得られた「不本意な」鑑定結果を基にして,相続人どうしの不信感による仲たがいを回避したり,遺留分請求を速やかに行ったりすることなどを考慮すると,決して無駄な出費ではないという見方もできます。

筆跡鑑定の費用とそれに伴う効果の感じ方は人それぞれですが,ご自身が必要とするものに見合った筆跡鑑定を依頼できる鑑定所をお選びください。

通算136回目の筆跡試料の作成

筆跡鑑定と印章鑑定の研究用試料の作成|2020年6月1日

今年に入り5か月が過ぎました。

今月21日は部分日食と夏至を同時に迎えます。天体ファンの端くれとして,部分日食は楽しみです。

今日の横浜の天気は雨が降ったりやんだり。他はどうでもよいので21日だけは晴れますように。

21日は天気次第でブログ内容がかわるかもしれません。


最後までお読みいただきありがとうございました。この次まで,あなたと私に良い風が吹きますように。