契約書の疑義を筆跡鑑定

契約書の筆跡鑑定と筆跡鑑定書の作成

契約書は様々な書式のものがありますが,筆跡鑑定を行うときは次にタイプに分かれます。

署名のみが書かれている契約書

筆跡鑑定する箇所は署名欄のみですので「署名鑑定」のコースになります。
まずは鑑定結果がどのようになるかをご確認いただくため「署名鑑定簡易報告:11,000円」をお勧めしています。その後,必要に応じて証明用の「鑑定事項証明書(署名鑑定):22,000円」の作成や裁判所提出用の「筆跡異同診断書(署名鑑定):66,000円」若しくは「署名鑑定書:220,000円」の作成を追加でご注文いただきます。また,印影の鑑定を併せて行う方もいらっしゃいますが,そのときは「筆跡・印章鑑定報告書:55,000円」をご用意しております。

電話相談はこちら 045-805-5591

住所や氏名,契約内容まで手書きの契約書

署名や住所,契約内容など必要な箇所の全ての筆跡を鑑定するときは「文書鑑定」のコースになります。
まずは鑑定結果がどのようになるかをご確認いただくため「筆跡鑑定簡易報告:22,000円」をお勧めしています。その後,必要に応じて証明用の「鑑定事項証明書(文書鑑定):33,000円」や裁判所提出用の「筆跡異同診断書(筆跡鑑定):110,000円」若しくは「筆跡鑑定書:440,000円」の作成を追加でご注文いただきます。また,印影の鑑定を併せて行う場合は「筆跡・印章鑑定報告書:55,000円」をご用意しております。

電話相談はこちら 045-805-5591

書いた覚えのない契約書の筆跡鑑定

契約書は「金銭消費貸借契約証書」に代表される形式のものから,「覚書」に至るまで幅が広く,「婚姻届」も契約書の部類に入るなど様々ありますが,自分以外の人間となんらかの取決めを行い,その内容を「書類」として作成したものを「契約書と呼ぶ」という認識で間違いないと思います。
契約書は様々ありますが,遺言書と同様に「本人確認」と「偽造者の発見」の目的を主として筆跡鑑定が行われます。

筆跡鑑定の御依頼で多いのは「書いた覚えのない契約書」です。契約書の名義に自身の署名があるが,書いた記憶はない,という方が大半です。その他には,亡くなった親の借用書が鑑定対象に挙がることもあります。

もう一つは,契約書に則り債務を履行してもらおうとしたときに「そんな契約書に署名した覚えがない。」と言われ,弁済されないケースです。シラを切れば逃げられると思っている悪質な輩もいますので,法的措置を行う準備段階で筆跡鑑定を依頼される方がほとんどです。

ここでは,契約書でお困りのときの対応と,依頼時の注意点をお伝えします。

書いた覚えがない方は,契約書の原本を確認しましょう

通常の契約では,同じ書類を2通作成して当事者間で保管しますので,1枚は手元に残ります。しかし,筆跡鑑定を依頼される方はどういう訳か「コピー資料」が多く,「原本資料」をお持ちでない方がほとんどです。また,契約者本人は既に他界され,相続人からの依頼の場合もありますが,同様にコピー資料が多いです。お手元にお持ちのはずの原本資料がどこへ行ってしまったのかは,この際余り問題ではありません。重要なことは,争いが起こりそうなときには必ず,問題となっている「契約書の原本」を,目で見て確かめることです。可能であれば手に取り,ボールペンで書かれた筆跡部分のへこみや,印影の状態なども確かめます。
このときに「契約書の原本」でありながら,ボールペンのへこみや,印影の部分に不審な点があれば,その点の説明を求めましょう。筆跡鑑定に至らずに解決する可能性もあります。
2000年頃から家庭用プリンターにスキャナー機能が付いた製品が普及し,スキャニングによる契約書偽装がはやりましたが,目視でほとんどが見破れますので,まずは,原本を目視で確認しましょう。

契約書をコピーするときの注意点

お手元に原本がない場合には,契約を取り交わした(とされる)相手から,その契約書のコピーを入手します。このときのコピーの取り方にも注意が必要です。まず,コンビニエンスストアなどに設置してある大型の複合機を優先的に選びます。次に家庭用の複合機となりますが,画質を最高にします。ただしFAX機能付き電話機のコピー機能を使うのはやめましょう。
コピーを取る際にはADF(自動原稿送り機)は使用せず,ガラス板面に契約書をまっすぐに置き,コピー機のフタを完全に閉めて,原寸大で「フルカラー」と「白黒」で1枚ずつコピーします。そうすることにより,ボールペンのへこみによる濃淡や,実印の印影なども鮮明になりますので,筆跡鑑定に多くの情報をもたらすことが期待できます。

法務局での写真撮影には,三角スケールや文鎮を使いましょう

三角スケールのイメージ画像登記書類などの場合には,法務局へ出向かれて,分厚いファイルから特定の書類を探しだし,写真撮影したものを鑑定資料として提出されることがあります。しかし分厚いページを見開きにして撮影されるため,書類が山形に湾曲してしまい,筆跡にゆがみが生じている鑑定資料を,しばしばお見受けします。
お骨折りいただいて恐縮ですが,鑑定資料としては不向きな状態です。
写真撮影には,是非三角スケールや文鎮をご利用ください。三角スケールとは,建築士さんが製図などで使用する立体的に三角の定規です。これを,分厚いファイルの筆跡部分の下部に,筆跡にかからないように押し当てて,筆跡部分の真上から撮影を行います。要するに,紙が湾曲しないように,三角スケールで押さえつけるのですが,三角スケールの1/100mの面を筆跡部分の下に押し当てることにより,原本のサイズが明確になりますので,対照資料との比較にも役立つのです。
また,文鎮はお子様のいるご家庭であればお習字の授業で購入しますので,大体どこのご家庭にもあると思います。

極論では,多少の力を加えても曲がることのない直線の物体であれば結構なのですが,法務局の窓口で取り扱うため目立たないもので,かつ,書類を汚したり傷けることがないものとして例に挙げています。

契約書の疑義を晴らすため,対照資料は日付にも注意

契約書には日付が必ず記載されていますので,対照資料は,鑑定資料に記載されている日付と同じころの筆跡を収集しましょう。これは大きく分けて三つの理由からなります。

  1. 鑑定資料と対照資料の執筆時期は,近ければ近いほど鑑定精度が向上するため。
  2. 対照資料執筆者の筆跡を時系列順に並べて,その中に契約書の筆跡を投入したときに,違和感があるかを観察するため。
  3. 万一裁判になったとき,比較対照する筆跡をどこから求めたのか,それはどのような状態であるのかといったことが注視されることがあるため。

契約書は,契約者のみならず,そのご家族や周囲の人にも影響を及ぼすことがあります。的確な資料をそろえることに不安が生じましたら,お気軽にご相談ください。

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Posted by 鑑定人 田村真樹