筆跡鑑定人の日常:気づきを磨く

筆跡試料作成2019

筆跡鑑定人に必要なこと

近年,「筆跡鑑定人になる方法」とか,「筆跡鑑定人になるための条件」といった書籍やホームページを見かけます。

弊所にも「どうしたら筆跡鑑定人になれますか?」というご質問が寄せられますので,実体験を通じて必要と感じたことを日常生活を交えて,このブログに記していきます。

筆跡鑑定人の条件その1:気づきを磨く

筆跡鑑定人の日常:毎朝の洗面所清掃

この写真は,今朝,私が洗面台の掃除をしているところを撮影したものです。

私は生来きれい好きで,人から言われることもありますが,母からの遺伝だと思っています。

掃除については,家じゅうの掃除機掛けの他,風呂や洗面台,トイレ,庭などの清掃を専ら行っています。中でも,風呂と洗面台の清掃は元旦も休みなく行い,まさに年中無休できれいな状態を維持できるよう心掛けています。

それでは私が,ただのきれい好きかというと,それだけではありません。日常生活に,筆跡鑑定人としての資質を維持する要素があるのです。

掃除を通して「気づき」を鍛える

会社員だったころ,社長の意向で「掃除に学ぶ会」というものに参加していたことがあります。

これは,イエローハットの鍵山社長(当時)を中心として,様々な企業から社長や役員,社員,またそのご家族などが数人から数十人が参加して,数百人程度の集団になり,公立中学校や駅などに出向いて,主にトイレ掃除をするというもので,日曜日の早朝から,手袋や長靴をつけずに素手素足で掃除するという荒行でした。

この掃除は,日が高くなるころに終わるのですが,その後に反省会が大々的に行われて,掃除した感想を言い合うのですが,最後に鍵山社長のあいさつがあり,次のようなことを言います。

゛掃除をすることにより,これまで気づかなかったことに気づくようになり,細やかなことを意識するようになる。その気づきや細やかな着想が,ビジネスチャンスを生む。”

参加している企業は業績が上向いたり,社員の質が向上するとかで,かなり人気があったようです。

私は当時3回参加しましたが,掃除をしてきれいになったと思い,少し目を離して元の場所を見直すと汚れが残っていて,やり直しが必要。という経験をしたり,一見きれいに見えても,角度を変えたり,明るさを変えたりすると汚れが見えてくる。という経験をしました。

今となっては貴重な体験をさせていただいたと思っています。

筆跡鑑定人に必要なものは「気づき」

筆跡鑑定は,たくさんの文字の中から,共通した漢字や平仮名などをピックアップして拾い集め,それを比較観察することで異同の判断を可能にしますが,ただ集めればいいという単純作業ではなく,筆跡鑑定を行う書類をみたとき,その筆跡の書体や筆記具,書かれ方,どんな文字がどれだけ書いてあるのかを事前に調べることも必要になります。

その中で,書かれている文字が「丸文字」であり,比較対照する文字が「丸文字」であれば,丸文字をして丸文字たらしめる固有の類似性があるので,これを取り除いて筆跡鑑定を行う必要があります。

実はここに「気づき」がないと,丸文字固有の類似性を「執筆者由来の類似性」と捉えてしまい,鑑定結果を誤ることがあります。

一般的な「女性文字」の分布として,「きれいな細字」「丸文字」「長体ヘタウマ文字」があります。「きれいな細字」は60歳からご年齢が重なるにつれ多く見受けられ,「丸文字」は1970年代後半から1990年代初頭までに学生だった方に多く,「長体ヘタウマ文字」は1993年頃から派生した文字であり,今でもつづいています。女性文字は親から子へ継承される傾向にあるのか,息が長く,ファッションなどの流行とは異なる寿命があるようです。

筆跡鑑定を行う上で,問題となる筆跡を書いたのが女性の場合,女性文字の存在と対象者の世代を考慮することに気づかないといけません。

筆跡鑑定人を目指す方へ

筆跡鑑定人になるために,まずは自分の部屋を掃除することから始めましょう。毎日できるようになったら,他のお部屋やお風呂場,トイレなどへ範囲を広げていきます。この掃除には,窓ガラスやサッシの掃除なども含まれますし,引き出しの中の整理整頓も当然含みます。

目標は「いつ,誰が訪ねてきても,お待たせすることなくお通しできる状態。」です。

筆跡鑑定人になると,お客様の大切な書類をお預かりします。これを汚すことがあってはいけませんから,日々の清掃によりきれいな状態を維持することは,実際の業務にもきちんと直結しているのです。

通算90回目の筆跡試料作成

2019.02.21筆跡試料の作成

本日は,川崎大師の初午大祭にお参りしてきました。

2008年から毎年恒例でお参りしていて今年で12回目です。残念ながら写真撮影はしてこれませんでしたが,今年も良いご縁日となりました。


最後までお読みいただき,ありがとうございます。