筆跡鑑定が必要ですか

筆跡試料作成2018

筆跡試料の作成-66回目

本日は夏至。ここ横浜はでは,雨が降ったりやんだりの空模様です。
曇り空では,夏至による日没の時間が遅いことも容易には観察できません。

2018.06.21筆跡試料の作成

筆跡鑑定が必要か,依頼する前に効果を確かめましょう

当研究所に寄せられるご相談は,遺言書の本人確認などの基本的な比較鑑定から,偽造を解明してほしいというものまで幅広く,特に偽造の解明に重きを置いているため,こうした質疑応答が日常となっています。

ご相談いただく方の9割はそのまま御依頼へつながるのですが,残る1割の方の中には,鑑定が必要なのか,判断いたしかねる方がいらっしゃいます。

筆跡鑑定の場合は,誰が書いても良いものの執筆者を確認しようとする方があり,
印章鑑定の場合は,不要な捺印(三文判)がされた書類の真贋確認などがあります。

当事者にとっては重要なのかもしれませんし,一概に無意味だとは申しませんが,仮に鑑定結果がご意向に沿う結果になったとしても,それが法や倫理に抵触しない限り,効果が期待できるのかが心配になります。

弊所では,ご相談内容のうち,こうした疑問に思うときには,鑑定をお勧めしておりません。

第一に,違法性があるのか。
第二に,一般的な倫理に反するかなどを,冷静にもう一度よくお考えいただき,弁護士様など専門家の意見を取り入れた上で「筆跡鑑定が必要」となりましたら,改めてご相談いただくようにお話しています。

開業したての頃は,こうした判断もつかず,言われるがままに鑑定を受け賜わっていましたが,後になって「鑑定は必要なかった。」と告白された苦い経験がありますので,ご相談の段階で気が付けば,専門家への相談を促すようにしています。


最後までお読みいただき,ありがとうございました。