いじめ問題の筆跡鑑定

いじめ文書の筆跡鑑定と筆跡鑑定書の作成

いじめが行われるとき,持ち物や机などにいじめ被害者を中傷する内容の書き込みがなされることがあり,これを「いじめ文書」と呼んでいますが,それは短文であったり,文章であったりと様々です。筆跡鑑定でいじめ文書を書いた人物を特定する場合,或いは,自身に懸けられた嫌疑を晴らす場合など,筆跡鑑定では文字数により以下のタイプに分かれます。
なお,片親で低所得世帯の方には「筆跡鑑定無料化の取り組み」を行っていますので御参考ください。

短文で書かれたいじめ文書

「キモい・うざい」,「死ね・ブス」,「学校に来るな」など,文字数の少ないいじめ文書は,鑑定料金の設定を「署名鑑定」にして承ります。
まずは鑑定結果がどのようになるかをご確認いただくため「署名鑑定簡易報告:11,000円」をお勧めしています。その後,必要に応じて証明用の「鑑定事項証明書(署名鑑定):22,000円)の作成や裁判所提出用の「筆跡異同診断書(署名鑑定):66,000円」若しくは「署名鑑定書:220,000円」の作成を追加でご注文いただきます。
なお,いじめ文書の筆跡鑑定に「署名」というタイトルはふさわしくありませんので「署名」部分を「筆跡」等に変えて各報告書を作成しています。

電話相談はこちら 045-805-5591

長文で書かれたいじめ文書

文章でいじめ文書が書かれているときは「文書鑑定」として筆跡鑑定を行います。
まずは鑑定結果がどのようになるかをご確認いただくため「筆跡鑑定簡易報告:22,000円」をお勧めしています。その後,必要に応じて証明用の「鑑定事項証明書(文書鑑定):33,000円」や裁判所提出用の「筆跡異同診断書(筆跡鑑定):110,000円」若しくは「筆跡鑑定書:440,000円」の作成を追加でご注文いただきます。

電話相談はこちら 045-805-5591

いじめ被害者の保護と,加害者の今後のために

いじめに起因する筆跡鑑定のご相談は,年間に十数件と,決して少なくありません。
多くは「いじめ被害者」からの依頼であり,その大半は小中学生が抱えているお悩みです。
依頼例では,ノートなどから切り取った紙片に,悪い言葉を使って書かれた中傷文や,机などへの書き込み,また,いじめ被害者宅のドアに中傷文を貼り付けるなど,多岐にわたりますが,「誰が書いたのかわからない」という位置づけでは「怪文書」に含まれます。しかし,その怪文書を書いたと疑わしき人物が未成年者であり,鑑定できる年齢制限や,対照資料の収集の仕方に注意が必要となりますので,別項としてまとめました。
怪文書と同様に,「疑わしい人物」の選抜を的確に行い,適切な対照資料をそろえないと,第二の被害者を生む危険もありますので,細心の注意が必要です。

筆跡鑑定には,年齢制限があります

一般的に,小学校低学年(1~2年生)は,漢字を習い始めたばかりであり,授業スピードも遅いため,ゆっくりとした文字が書かれます。執筆時の個性もでき始めるのでしょうが,成長スピードが速いため,日々変化に富み,日記のように,毎日の筆跡を確認できる対照資料が存在しても,鑑定は困難なケースが多くあります。
小学校中学年(3~4年生)では,徐々に授業スピードが速くなり,同時に内容も難しくなりますので,筆記に雑な部分が目立つようになります。低学年と比較して常同性(文字や画を常に同じように書くこと)も育ちますが,人に感化されやすくなる時期でもありますので,友達が「かわいい」文字を書いているとすぐにまねをします。早生まれと遅生まれの違いが残る時期でもありますので,個人差も大きく,鑑定が困難なことがあります。
小学校高学年(5~6年生)では,ノートなどを見ると男女の差や,性格の差が出てくる時期です。大半は常同性が発現していますので,鑑定は可能となりますが,「はやり文字」に感化されていますので,注意が必要です。実例では,同じ日の午前と午後の授業で,同じ字の書き方が筆順から変わっていた例があり,成人では考えられない変化のスピードを目の当たりにしたことがあります。鑑定は容易ではありませんが,常同性が発現していますので,1~4年生までと比較して,鑑定できる可能性は増えます。
これまでのご相談から,上記のようにまとめられますが,鑑定可能な年齢は,おおよそ10歳ごろからという認識を持っています。成人と違い常同性の出方に個人差が激しいため,まずは対照資料を慎重に拝見してから,鑑定の可否を判断させていただいています。

筆跡鑑定を行う対照資料の選び方・探し方

「いじめ問題」として,過去の依頼実績から多く挙げられる内容をお伝えしていますが,ここでは,普段あまり書かない文字を,対照資料として収集する際のポイントをお教えします。

書くことの少ない「殺」字への対処法

この文字は脅迫文でも使われる文字ですが,小学4年生で習得するため,いじめの一環となる怪文書にも頻繁に登場します。しかし,日常生活で使用することは滅多にないため,対照資料として収集することが困難な文字のひとつです。この文字が怪文書に書かれている際には,対照資料で次の文字を収集します。
それは「役」・「段」・「設」・「投」字など「殳」を含む文字です。部首を比較観察しますので,鑑定精度は下がりますが,「殳」字は個人差が出やすい文字でもありますので,「殺」字が対照資料にない場合には,対照資料として鑑定に代用することができるのです。
実際に「市役所」・「階段」・「設備」・「投球」などの熟語に紛れ込ませ,サンプル筆跡として収集したこともありますが,そのときは鑑定に役立ちました。
対照資料を選ぶ際の注意点は,このほかにもございますが,案件ごとに異なりますので,鑑定をお考えの方は事前にお問い合わせください。

筆跡鑑定を警察は行わない

いじめ問題において警察の鑑識係が筆跡鑑定を行うのは自殺者が出たときなどで,被害届を出して受理されても事件性がなければ,筆跡鑑定を行ってくれることはありません。また,いじめ被害が出ている学校からも筆跡鑑定の依頼が来ることは稀で,大抵はいじめ被害者やいじめの加害者として疑われた方々の保護者・特にお母さまが筆跡鑑定を御依頼になられます。
警察の対応を悪く書くつもりはありませんが,事件性がなければ警察は筆跡鑑定を行うことができないものと認識して対処しましょう。

いじめは,筆跡鑑定で解消することができる

いじめ問題の鑑定は,大半が未成年者であるため,「犯人捜しのようなことを行うのは,いかがなものか」といったご意見も存在します。しかし,いじめる側は軽い気持ちでも,いじめられる側は深く傷つくのですから,放っておいて良いことではありません。また,誤った方向へ進もうとしているお子様には,適切な指導や教育が必要ですから,鑑定の後には,保護者や教育者の方の手厚いケアにより「もう二度とやらない」と改心させることまでして,真の解決になると思います。
ポイントを押さえた的確な資料で,精度の高い,確かな鑑定結果をお求めください。

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Posted by 鑑定人 田村真樹